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飯尾醸造はこんなお酢やです

はじめまして、飯尾醸造です。

はじめまして、飯尾醸造です

私どもは京都・宮津のお酢屋です。創業は明治26年。
130年ずっとお酢を造りつづけて、今の当主・飯尾彰浩で5代目になります。

宮津という町の名前を耳にされたことはおありでしょうか。お魚がおいしいことで有名な、日本海は「若狭湾」に面した町。日本三景のひとつ「天橋立」がある町です。

「えっ、京都に海があるの?」と、よくびっくりされます。京都府とはいっても、京都駅から電車にゴトゴトゆられて2時間。山と海に囲まれたのどかなのどかな田舎町です。

きれいな水と豊かな土、寒暖の差がはげしい気候。この風土がいい米を作り、そしていい酢を造るのです。

京都・宮津は丹後半島の付け根に位置します
「天橋立」は、私どもの蔵から車で15分ほどです

おいしくて、
しかも安全な最高のお酢・・・。

おいしくて、しかも安全な最高のお酢

“食”は人が生きていく上で、一番大切なこと。 だから「おいしくて、しかも安全な最高のお酢」を造りたい。それが私どもの基本方針です。こうした考えから、お酢の原料となる無農薬※1のお米作りからたずさわっています。

そのお米を使って、自社の酒蔵で杜氏が“酢もともろみ”(酒)を仕込み、その酢もともろみ(酒)からお酢を造ります。 創業からほとんど変わらない製法です。

米から酢もともろみ(酒)を醸し、その酢もともろみ(酒)で酢を造る……。昔から行われてきた日本古来のお酢の造り方です。

ただし、いまだにこんなやり方を守っているお酢メーカーは本当に稀です。 驚いたことに、400社余りある日本の食酢メーカーのうち、自社で製造の設備を持つのは3分の1以下。 設備を持たないメーカーでは高い酸度のお酢を仕入れてきて、水でうすめて販売しているのが実状です。

また、製造設備を持つメーカーの中でも酢もともろみ(酒)を造る酒蔵までも持っているところは、ほとんどありません。 米作りから手掛けるメーカーとなると、私どもだけだと思います。

お酢造りを行う蔵人たちと4代目、5代目

原料は無農薬※1の新米※2
たっぷり使ってお酢を仕込みます

杜氏 酒蔵の杜氏と蔵人たち

蒸した米に麹菌をまぶして麹をつくります

この酢酸菌膜がアルコールを
酢に変えてくれます

古式「静置発酵」で100日以上かけて発酵。
その後、熟成蔵で300日じっくりと寝かせます。

青森の木村秋則さんの「奇跡のリンゴ」。
丁寧に洗って仕込み開始です。

リンゴを半分に切り、ヘタを除きます。
これが「にごり林檎酢」に。

蒸した紅芋を掘り出し、
すりつぶしてもろみにしていきます。

もろみは蔵人4人の力を合わせてしぼります。
昔からある「しぼり舟」は今も現役。

無花果のもろみを搾ったところ。
鮮やかな色、良い香りがただよいます。

富士酢の約束

富士酢の約束

1. 原料のお米は無農薬※1の新米※2のみ。
酢1リットルにつき、200gもの米を使います。

いい酢はいい米から。これが私どもの考え方です。昭和39年から地元、京都・宮津の棚田で農薬を使わずにお米を作ってもらい、 その新米※2だけを原料にお酢を造っています。

人里離れた棚田でわざわざお米を作るのは、他の田んぼで使った農薬や生活排水の影響を受けないようにするためです。

無農薬※1米を原料にお酢造りをするようになった詳しい経緯は「無農薬米づくり 挑戦の歴史」をご覧下さい。

「純米富士酢」はお米と水だけが原料の純米酢です。酢1リットルにつき200gのお米を使いますが、これはJAS規格の5倍量にあたります。

「富士酢プレミアム」ではさらにたくさんのお米を使っています。酢1リットルにつき、320g。JAS規格の8倍量にあたります。 たっぷりのお米で仕込んだお酢は、ただ酸っぱいだけでなく、コクと旨みが感じられます。

JAS規格(日本農林規格)によれば、1リットルのお酢を造るのに40gのお米を使えば「米酢」と表示できることになっています。 ただし、米だけからお酢をつくるには最低でも120gのお米が必要です。

それに満たないものには、醸造用アルコールや各種の穀類を添加して造られています。 JAS規格は、戦後の混乱で模造食品が横行していた頃に定められました。

2. 自社の蔵で、杜氏が
“酢もともろみ”(酒)も仕込みます

毎年冬になると、私どもの蔵では杜氏が酢もともろみ(酒)を仕込みます。麹づくりからはじまり、酒母づくり、そしてもろみ(酒)の仕込みと、約100日間泊まり込みでの作業になります。

できあがった酢もともろみ(酒)にはアミノ酸がたっぷり。これがこのあとお酢の風味をおいしくする決め手となります。

お酢のメーカーで自社の蔵で酢もともろみ(酒)を造っているところは今となっては珍しいようです。

3. 時間と手間はかかっても
「古式静置発酵」でお酢を造ります

私どもでは「静置発酵法」により酢もともろみ(酒)をお酢に発酵させます。これはタンクの表面だけで酢酸菌が自然発酵していくのを待つ発酵法です。発酵だけで約100日間と時間はかかりますが、アミノ酸がとばず、まろやかな味のお酢に仕上がります。

多くのメーカーでは8時間から長くても数日で発酵が終わる速醸の「全面発酵法」を採用しています。 これはタンクの中に空気を人工的に送り込んで発酵を促進させる方法です。

無農薬※1のおいしい米を贅沢に使い、「静置発酵」で時間をかけて造った「富士酢」の味は、しっかり酸っぱいのにツンツンせず、まろやかです。 お米の芳醇な香り、濃厚なコクと旨みがあります。

実際に数値を分析すると、富士酢は酢酸の比率が低いことが分かりました。「酢酸」とは、強い酸味と刺激臭を持つ有機酸。揮発酸で、蒸発しやすい酸です。一般的な米酢は99%が酢酸ですが、富士酢は酢酸が86%で不揮発酸の乳酸、コハク酸、リンゴ酸など、穏やかな酸が多いのが特徴です。ツンとせず、酸が飛びづらいので酢飯にするとおいしさが長持ちすることを実感いただけると思います。

果実酢も「富士酢」の精神で。

果実酢も「富士酢」の精神で

飯尾醸造では、お米以外にも様々な原料からお酢を造っています。「紅芋酢」、「にごり林檎酢」をはじめとする果実酢も「富士酢」と同じ考え方で造られます。

「おいしくて、しかも安全な最高のお酢」造りは、原材料を吟味するところからはじまります。たとえば「紅芋酢」は、国産の農薬不使用栽培の紅芋を、「にごり林檎酢」は、青森の自然栽培のりんご(木村秋則さんの「奇跡のリンゴ」)を100%、それぞれ原料に使っています。

造り方も米酢と同様で、原材料からもろみ(酒)を造り、静置発酵でお酢にする工程を踏みます。原料ごとに違ったもろみの仕込みは、蔵人がほとんど手作業で行っています。

もろみ(酒)が出来上がったら、静置発酵でお酢にしていきます。原料の野菜・果物そのものを丸ごと使って造るお酢は素材の味や香りがしっかりと感じられるだけでなく、天然成分がたっぷり含まれています。素材が良いのはもちろん、惜しげなくたっぷりの量を使うことも富士酢の精神です。

私どもの商品には量産品がありません。素材を選び、手間ひまを惜しまない作業を通じ、最高のお酢造りを貫くこと。小さな蔵ではありますが、これが私どもの誇りです。

農家、杜氏、そして私ども飯尾醸造が丹精こめて造った「富士酢」の味を気に入っていただければ幸いです。